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2026/02/04

待ってるだけなら

ちょっと浮かんでどうしても書きたくなったから書いてみた。
ダテサナで昼ドラ風にしたいって言ってたやつ。

一応話考えてあるんだ…。でも何話くらいになるかさっぱりわからんー。


超中途半端。いつか組み込まれるだろうものです。
気になる人だけ続きvv←






 



綺麗なヒトだ。真っ直ぐな黒髪に大きな漆黒の眸。細く、小柄ではあるが、男が好むだろう楚々とした風貌。政宗の隣に立つのに見合う美女だ。
そんな人が幸村を見て柳眉を吊り上げている。

「あなた、いつまで政宗様の部屋にいらっしゃるつもり?」
「あの…」
「政宗様も困った方…。愛がいるのにどうしてこんな落ちぶれた家の小娘を置いていらっしゃるのかしら」

敵意を含んだ漆黒に、幸村は肩を揺らした。
政宗が幸村を置いていることに理由などないだろう。ただ突然の見合いに逃げ出してきた幼なじみの世話をしているに過ぎない。
俯いた幸村に愛は嘲笑うように言った。

「迷惑をかけているあなたのことなど、政宗様が相手にするはずありませんわ。早々に家に帰って家のために嫁ぎなさい。その方が為になりましてよ」








「幸村!」

部屋中のドアを開けてみるものの、彼女の姿はどこにも見当たらない。
政宗は苛立だしげに長い前髪をかきあげた。
まさか家に戻ったのだろうか。しかし戻れば結婚させられる。あんなに嫌だと泣いていたくせに。今更他の男などに渡せるものか。
この家に連れてきたのも、何かと世話を焼いたのも、抱いたのもすべて政宗が幸村を手放すことを考えられなかったからだ。昔から、彼女だけが特別だった。大嫌いな伊達の家に中学までいられたのは、幸村が傍にいたからだ。誰よりも近くで笑ってくれたから。

「幸…」

彼女のお気に入りだったソファーにはまだぬくもりが残っているような気がした。
ふらふらとソファーに近づき、倒れこむ。政宗と違い、香水も煙草も好まない幸村は、残り香すら置いていってはくれない。他人など近くにいると鬱陶しいだけのはずが、こんなにも虚しい。

「幸…幸村…」

今にも耳に彼女がはにかんで名を呼び返してくれそうなのに、何も聞こえない。
きつく隻眼を閉ざしてすべてを遮断しようとした時だった。
ソファーに投げ出した右手に、何かがこつりと当たった感触に目を開ける。

「…何だ?」

細長い箱を掴んで顔面にかざした。見覚えのないそれを訝しげにひっくり返した瞬間、政宗は瞠目する。

「な…んだよこれ…」

この部屋に入ることの出来る人間は、自分を除けば目付役の小十郎と今朝までここにいた幸村だけだ。
小十郎にこんなものは必要ない。万が一彼が買ってきたとしても、使用しているわけがないだろう。
政宗は慌ててトイレに備え付けたゴミ箱をあさった。幸村が自分で片付けていたから、政宗がここを開けたのは初めてだ。ビニール袋できれいにまとめられたそれを迷いなく開ける。中にはトイレットペーパーの芯やティッシュなどのゴミが入っていた。その中にひっそりと、紛れ込ませてあったそれを見つける。

「幸村…」

呆然としたまま、無意識に呟くのは彼女の名前。
いつから気づいていたのだろうか。最近様子がおかしいとは思っていた。けれど何でもないと笑う彼女にそれ以上聞かなかった。今はそれが悔やまれる。
不安だったはずだ。怖かったはずだ。なのに何も言ってはくれなかった。
政宗は歯を食いしばり、拳を固く握り締める。彼女を思うと、自分が嘆くのは卑怯だと思った。
数分後、顔を上げた政宗は一つの決意を固めていた。






静まり返った屋敷の中で、幸村はただ空を見つめていた。
兄に連れ戻された時に、離れの部屋に押し込まれた。部屋を出ることは一切禁じられており、携帯も取り上げられてしまった。
結婚が決まるまでこの部屋にいるようにと厳命され、窓には格子がついており、唯一の出入り口である障子の傍には見張りがついている。
まるで籠の鳥だ。食事は与えられるものの、幸村はほとんど手をつけていない。
食欲がないのに加え、今まで好きだったはずのものが食べられなくなった。匂いがすると途端に嘔吐感がこみ上げる。

「……政兄」

日に何度も思い浮かべる彼は、今どうしているのだろうか。勝手にいなくなったことを心配してくれているのだろうか。それとも幸村のことなど気にせず、いつも通りに過ごしているのだろうか。
単衣の着物の上からそっと触れるそこだけが何だか暖かくて、小さく微笑む。
まだ外からは何の兆しも見えないけれど、確かにここにいるのだ。
この幸せは幸村だけのものだ。兄にも親族にも、政宗の婚約者にも奪わせはしない。―――たとえ政宗自身にも。

「私が絶対に守ってみせる…」

小さな呟きは二人だけの約束だった。






外が騒がしい。
幸村は格子のはまった窓からそっと外の様子をうかがった。
客が来ているのだろうかと思ったが、それにしては怒鳴るような声が聞こえてくる。穏やかではない様子に、眉をひそめた。

「何事だ…?」

そっと身を守るように、手に力を込める。
もしや兄の決めた婚約者が乗り込んできたのだろうか。どうあっても結婚など出来るわけがない。
すでに嫁げるような身ではないのだ。兄にも、誰にも告げていない。けれど覚悟だけは出来ている。
幸村は段々と近づいてくる足音に肩を強張らせた。
足音は幸村が軟禁されている座敷の前でとまる。兄の気配ではない。訝しげに障子を睨みつけていると、思ってもみなかった声が聞こえてきた。

「―――幸」

低いが、耳に心地の良い声はよく知ったものだ。つい最近まで傍にいたのだから。
けれど彼がこんなところにいるはずがない。
そんな幸村の想いを見越したかのように、再度名を呼ばれる。
間違えようのない声と気配に、幸村はそっと障子に手をかけた。

「…政兄…?」
「ああ」
「本当に…?」
「―――俺が他の誰に見えるって言うんだ?」

不機嫌そうな声と共に、外から障子が開け放たれた。
寄りかかっていた幸村は支えをなくして前のめりになる。思わず目をきつく瞑るが、衝撃が襲ってくることはなかった。
柔らかく抱きとめられ、大きな手が幸村の背をさする。
おそるおそる顔をあげると、冷徹な藍の眸が幸村を見下ろしていた。

「政兄…どうして」
「…迎えにきたに決まってんだろ」

切れ長の眸を細めて微笑む政宗は楽しげだ。
あっという間に横抱きにされ、幸村は座敷から連れ出される。

「伊達政宗…!」

もうすぐ玄関につく、と言う頃に、ようやく騒ぎを聞きつけたのか信幸が慌てたように政宗を引きとめた。
政宗は顔だけを信幸へ向ける。

「An?なんだよ」
「何とは…!幸村をどうするつもりだ!その子はこれから大谷に嫁ぐと決まっているんだ!」
「―――その婚約は白紙になるぜ」
「なんだと!?」

政宗はにやりと笑うと、怯えたような顔をする幸村をしっかりと抱きなおした。

「大谷は手を引く。―――伊達の名前を出せば一発だろう?」
「な…!」
「幸村は連れていくぜ。こいつは俺のものだ。ずっと前から、な」

不敵に笑う政宗に、信幸は口をパクパクとさせる。
悠々と真田家を後にした政宗は幸村を抱きあげたまま、待たせていた車へと乗り込んだ。




「悪いが俺はアンタと結婚する気はねぇぜ」
「そんな…!」
「親父が決めた婚約者なんて、願い下げだ」

政宗の辛辣な言葉に、愛が目をつり上げる。

「そんなこと出来ませんわ!この結婚はわたくしたちが勝手に解消出来るものではありません。それに両親がそんなこと許すはずがありません」
「いや、親父は了承するぜ」
「え…?」
「俺は伊達の名を捨てるからな」


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2011/05/06 小噺 Trackback() Comment(0)

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