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2026/02/04

貴方と誓ったから

昨日書きたいと言っていた、夏の恋話。
梵弁♀になる予定です。

ついったーでとある方にネタをいただきまして、行く末が決まりました(笑)
子どもだからこそできる恋。14歳と12歳の子どもと大人の境だからこその心の揺れだとか、そんなものを書きたいなぁと思います。で、出来るかな…。
すごく多感な時期ですよね。中学生くらい。
最後がわかるからこそ、どうしていいかわからない。手を伸ばしても、先がない。
もどかしくて、でも触れたくて。そんな揺れる感情をどう伝えたらいいのか。
主に視点は梵天丸かなぁ…。出来る限り頑張りますー!

忙しかったわりに、この話を考えていたせいかそう苦ではなかったです。仕事が(笑)


続きに少しつけてますので、よろしかったら読んでみてください。
とりあえず、出逢うまで??









それはひとつの夏のことだった。
まるで暑さに脳が融けてしまったかのよう―――今ではそんな風にも思えるけれど。

ただ、この季節になると思い出す。
じりじりとした甘い熱に浮かされるまま、交わし合った熱。触れるだけで歓喜を催すような、そんな想いを互いに抱いて。

最初からわかっていたはずなのに、つらくて堪らなかった。
永遠に続くものではないと、わかっていた。
けれどこの時が永遠に続けばいいと、確かに願っていた。

今もその熱は、この胸の内を灼熱で融かしている。










その年の夏、梵天丸は奥州を出ることにした。
元服はしたが、未だに家のごたごたは続いているし、母親との確執もある。父親は自分に充分すぎるほど目をかけてくれているし、不満はない。
けれど息がつまりそうだと思うのは、夏のせいだろうか。
夏と言う季節は、いつも嫌なことばかり連れてくる。―――生まれてきたもが夏だったからだろうか。この時期、母親のヒステリーは度を超えている。
ひと月の間に何度毒を盛られ、刺客を差し向けられたのだろうか。
いい加減に、ブチ切れてしまいそうだった。
母親のことは、可哀想だと思う。けれどこちらにも限界と言うものは存在する。
自分を見て美しい顔を歪められるのは、もう慣れた。胸のどこかが冷える感覚にも。
そんな梵天丸の心中を誰より理解していたのは、幼い頃より傍に仕えている青年だった。
彼――小十郎が伊達家当主である父に進言しなければ、梵天丸の命は今頃もしかしたら奪われていたかもしれない。
この夏の間だけ。母親の客気が納まる、秋の始まりまで。梵天丸は家を離れることになった。
迂闊に手が出せないようなところがいいと思った。国が安定していて、こっそりと紛れてもわからないような。
ここなら大丈夫だろうと示されたのは、今盛りの上杉と武田の国境近く。
緑の山に囲まれた奥の屋敷が梵天丸の当面の住処だった。

「Oh…あちぃ…」

奥州より南なのだ。当たり前だが暑い。
梵天丸は額ににじむ汗を鬱陶しげに拭った。前髪や長めの襟足が首筋に貼りつくのがとにかく鬱陶しい。
思わずもれる舌打ちに、小十郎が呆れたように眉を下げた。

「梵天丸様…」
「Shit…あちぃもんはあちぃんだよ…!」
「仕方がないでしょう。こちらは奥州より南…暑いのは道理です」
「わかってんだよそんなこと…!」

そんなことはわかっている。
けれどこの日陰に居ても肌に貼りつくような暑さは、生まれ育った土地のものとはあまりに違いすぎて。
―――帰りたい。と、思わなくもない。
あちらもそう涼しくはないが、自分だけの秘密の場所や暇をつぶせるものがある。しかしここは余所余所しくて落ち着くことが出来ない。
思わずこぼれるため息に、小十郎が反応したのがわかったが、何も言う気にはなれなかった。







ここに来て、もう五日ほどになるだろうか。
梵天丸は一人、生い茂る緑の中を歩いていた。
小十郎と過ごすのには慣れているが、やはりそう広くはない屋敷の中で四六時中共にいるのは疲れる。
彼には悪いと思いつつも、一人になりたかった。

「何もない…か…」

夏特有の濃い緑の葉がぬるい風に揺れている。
静かな森の中は木漏れ日が降るくらいで、日差しはだいぶ柔らかい。けれど昼を過ぎ、夕方に差し掛かったこの時間は、太陽が最後のあがきを見せつけるかのように眩しくなる。
その光に目を細めながら大きな影に腰を下ろした時だった。

「…水の音…?」

魚が跳ねるかのような、小さな音がした。間違いなく、水の音だ。
こんな森の中に、誰がいると言うのだろうか。―――人間か、それとも獣の類だろうか。
今手元にある武器は一本の小太刀だけだ。
気付かれないうちに屋敷へ戻ればいい。けれど梵天丸は暇だった。戻ったとしても、待っているのは小十郎の説教だけ。ならば、確かめるぐらいはいいだろう。
そう思い、気配を隠す。足音を立てないように気を配りながら、水音のした方へと進んだ。
ほんのわずかな距離だった。木々の間からきらきらと光る水面が見えだし、湖があることを知る。
ぱしゃり、ぱしゃりと水の跳ねる音。緑の隙間からそっと覗くと、白い背中が見えた。
誰かが水浴びをしている。水の玉がはじける元に、健康的な肌色があった。小柄なその身体は、どう見てもまだ年端もそういかない子どものもの。男か女かもわからない。
けれどその細い背に流れる栗色の髪が、陽に透けて紅く見える様が。水を含んだ肌の瑞々しさが。陽のもとで輝くそのしなやかな身体すべてがひどく美しくて、目を奪われた。
思わず飲んだ息は、足元を不注意にさせた。小さな小さな音が、足元に立つ。

「―――誰だ!!」

梵天丸の視線に気づいたのか、その人物は振り向いた。
背中だけではわからなかった性別が、こちらを向いたことではっきりとわかる。
その胸元に、淡い兆しを見たからだ。

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2011/07/05 小噺 Trackback() Comment(0)

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