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今日は11月22日。ロゴ合わせでいい夫婦の日だそうです。
昨年は出来なかったので、今年こそは…!と思っていたんですよね、実は。
というわけで小話を書きたいと思います。夫婦と聞いて一番最初に出てきたのは土方夫妻でした(笑)初のはくおうき…!頑張って書いてみますvv
本当はバサラとかも書きたかった…。バサラで夫婦はかなり楽しいと思います。妄想が止まらん…!
ふと庭先を見ると、一角が赤く染まっていることに気付いた。
毎日のように掃いているのに、と思いつつも庭に出る。いっそのこと、すべて落ちきるまで待った方が楽な気がしなくもない。
赤い葉はひらひらと風に乗って舞い落ちる。その様はとても綺麗だ。
天気の良い昼下がりは、家事の合間のいい休憩時間。空も高く澄んで染まった葉と相まって鮮やかな対比を成している。蝦夷の秋は短い。今日のような暖かい日は珍しいほどだ。
「千鶴」
背後から呼ばれて振り向くと、夫となった人が手招いていた。つい先ほどまで日当たりのよい縁側に座して本を読んでいたはずだ。首を傾げながらも歩み寄る。
「どうなさいましたか?土方さん」
以前では考えられないほどに穏やかな時間が二人の間に流れていた。
新撰組の柱として生きていた頃の彼は、ひどく凍てついた眸をしていた。鬼と呼ばれ、血にまみれながらも走り続けてきたその人を、千鶴はひたすら追い掛けた。
そうしてすべてが終わり、この北の地で生きることを選んだ土方と夫婦になったのは桜の頃。いくつかの季節を重ねても、未だ夫としての彼には慣れないでいる。
傍にいられるだけで充分だった。恋い慕う時間が長かった分、厳しい彼を見ていた分、今が幸せすぎて夢のよう。
優しく千鶴を見つめる切れ長の目に引かれるままに、見つめ返した。
男の人だと言うのに、はっとするほど美しい。誰もが見惚れてしまうような、そんな容貌。
「千鶴?」
「あ…ごめんなさい、ぼぅっとしてました」
小さく笑った千鶴に、土方も微笑み返す。戦いの最中に身を置いていたころとは違う、穏やかさすら見えるその笑みに胸を高鳴らせるのはいつものこと。
視線で用件を問うと、縁側に座るように言われる。
「土方さん…?」
言われるがままに腰を下ろすと膝に重みが加わった。
「なぁ、今日は買物もいかないんだろう」
「はい」
「じゃあ少し、こうしててくれ」
「…はい」
甘えるかのように手をとられてしまえば、断ることなど出来やしない。
静かに閉ざされた瞼は、美しい菫の眸を隠してしまった。
ほんの少し冷たい秋の風に絹の様な髪がさらりと揺れる。見下ろす寝顔は眉間のしわもなく、寛いでいるのがわかった。千鶴にはそれがひどく嬉しい。
時折彼はこうして膝枕を頼むことがある。こうして彼が膝の上に頭を置いて眠る姿を見ていると、言いようのないくすぐったさや幸福感が胸を占めた。
掴まれていない方の手でゆっくりと彼の髪を梳く。穏やかにすぎる時間があまりにも幸福で。愛する人と過ごす幸せは毎日積み重なって千鶴の中に蓄積されていく。
ひと際強い風が吹いて、土方の髪が彼の顔をくすぐる。頬にかかったそれを指でそっと払うと、彼が身じろいだ。
「すみません、くすぐったかったですか?」
「いや、大丈夫だ」
ゆっくりと開けられた眸が千鶴を映す。
見上げてくるその視線に微笑むと、土方も微笑み返し視線を庭へ滑らせた。
ひらひらと赤が舞う。二人でそれを見つめていると、土方がふいに手を伸ばしてきた。
「紅葉もいいが…やっぱりお前には桜の方が似合う」
「え?」
「お前が庭に立っていた時、そう思った」
そっと千鶴の頬を大きな手が包む。やんわりと指の腹で撫でてくる仕草に肩をすくめると苦笑された。細められた眸が、甘い。
「…凍てつく冬が来て、雪が溶けたら…桜が咲きますね」
「ああ…また春が来る」
「そうしたら、また二人で桜を観に行きましょう…?」
「そうだな。二人で―――」
頬に当てられた手に自分の手を添えて微笑む。
募った愛しさに逆らわず力を込めると、土方が起き上がった。引かれるままに身体の力を抜くと、行きつく先は彼の腕の中。寄り添いながら二人、庭を見つめる。
視線の先には桜紅葉。春になれば薄紅を咲かせるそれに目を細めると、千鶴はそっと愛しい人の胸に顔を埋めた。
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