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ついったーで言ってたら話が出来上がったので書いてみました。
「ういごころ」と同じ設定のダテサナ♀幼馴染です~。
今日、雨だったのでなんか雨の日の話…って思ってたら相合傘で帰るダテサナを妄想しまして。で、短いですけど形にしてみました!
ちなみに桜は今日ニュースでやってたからつっこんでみた。うちの近所にも秋にも咲く桜があります。ちょっと寒く見えるんですけど(葉っぱがあんまりないからかなぁ)綺麗ですよ。
私的には秋と言えば、な花はきんもくせいですね。あの香りがすると秋だなぁ…と思います。あの匂いは結構きついので、苦手な方もいらっしゃるでしょうね。私、あの匂いはトイレの芳香剤を思い出します(笑)や、だって昔公衆トイレとかの匂い消しのためだろうけど、金木犀が植えてあってね…?匂いって結構思い出に残る…。
もう10月なんだなぁ…。早い…。
―――雨だ。
天気予報の降水確率は30パーセントで、はっきり降るとは言っていなかった。けれど風の匂いで今日はなんとなく降りそうだな、と朝から話しながら登校した。
こういうとき、彼の勘ははずれることを知らない。案の定、昼を過ぎた頃から雲行きが怪しくなり、本日最後の授業が終わる頃には降りだしていた。
幸村は生徒用の玄関の前で止まない雨を見上げていた。
先程まではパラパラと降る程度だったのに、今では本降りになってしまっている。今出て行けば確実にずぶ濡れになってしまうだろう。そうなれば母親代わりの佐助に怒られるに決まっている。
小さなため息をついて、ドアに寄りかかった。
「もう少し弱まればいいのに…」
今、手元に傘はない。お気に入りの赤い傘は早く帰らねばならないという友人に貸してしまったのだ。
せっかく持ってきたのに、貸してしまっては意味がない。けれど幸村には困っている友人を見捨てることなど出来なかった。だから折りたたみ傘がある、とつい嘘をついてしまったのだ。
かすがも、新体操部の遠征で今日は公欠扱い。同じ方向に帰る友人は他に居ない。
どうしたものかと肩を落とした時だった。
「伊達くーん!ねぇねぇ傘持ってるんでしょ?あたし忘れちゃって…」
「あ、おんなじ方向だよね!?入れてくれない?」
「ちょっと、アンタ傘持ってるでしょ」
「うるさいわね、いいじゃない!ねぇ伊達君、一緒に帰ろうよ」
きゃっきゃと騒ぐ甲高い声の中に、聞き慣れた名前が混じっている。
ふと声の方を見ると眉間にしわを寄せた政宗が階段を下りてくるところだった。周りを数人の女子生徒が囲んでいる。
不機嫌そうな表情に、思わず苦笑した。彼はあんな風に騒がれるのが好きではない。
『なんであんなに喧しいんだ…』
げんなりした顔でそう零したことも何度となくある。眉目秀麗、トップクラスの頭脳、剣道の腕もたつとなれば周囲が騒がないわけがない。幸村にとっても自慢の幼馴染だ。
だんだん眉間のしわが濃くなっている様子が彼の後見人兼父親代わりの小十郎のようで思わず笑ってしまった。
その声に気付いたのか、彼が幸村の方を見る。ぱちり、と重なった視線に政宗の眉間のしわはすぐになくなった。
「―――幸?」
「今、お帰りですか」
「ああ。ちょっと長引いた」
女子生徒の囲みを抜けて、彼は幸村の前に移動してくる。じっと見つめてくる藍色に首を傾げると、政宗が口を開いた。
「お前、傘は?」
「あ…ちょっと…」
「朝は持って出たよな?ねぇのか?」
「その、友人が困っていたので…貸してしまいました」
少しだけばつが悪くて目を逸らす。せっかく彼が朝からわざわざ傘を持って出るように忠告してくれたのに。きっと呆れてしまうだろうと幸村は項垂れる。
しかし政宗は予想に反して小さく笑っただけだった。
「アンタらしいな」
「…そうでござろうか…」
見慣れた彼の笑みにそろりと視線をあげる。大きな手がぽん、と軽く幸村の頭に乗せられた。
その瞬間、こちらの様子を窺っていた女子生徒が再び騒ぎだす。ひそひそと幸村を見ながら囁く声は多少の悪意を含んでいて、居心地が悪かった。政宗もそれを感じたのだろう。ちらりと背後の女子生徒を窺う目つきは冷ややかだった。
「あの、政宗殿…」
「傘ねぇなら一緒に帰るか。―――どうせ帰るとこ、同じなんだしな」
You see?と口癖のような言葉で幸村の手を取った政宗に、背後からは殺気交じりの視線を感じる。蒸し暑いのに背中に冷汗が流れそうだ。けれど政宗の優しい藍色にそんな視線も忘れて見入ってしまう。
雨がやむ気配はない。手元に傘はないし、同じマンションの同じ部屋に帰るのだ。濡れて帰るより政宗の案に乗った方がいいに決まっている。
「では、お願い致しまする」
「OK.帰ろうぜ」
元より幸村が断るだなんて思ってもいなかったのだろう。深い青の傘は大きめで二人で入っても大丈夫そうだ。その傘を開いて政宗が手を差し出してくる。何の躊躇いもなくその手を取って、雨の中を歩きだした。
背後で放置された女子生徒たちが「何あの子!」やら「なんで一緒に帰るの?」などと喚いていたが、雨の音にかき消されて幸村の耳には届かなかった。
「―――あ」
急に立ち止まった幸村に、政宗はまたかと思いつつも足を止めた。
幸村の視線の先を追うとそろそろ赤や黄色に染まってきた葉が雨に濡れて重たそうにしている。今にも傘から飛び出しそうな彼女は大きな茜色の眸で政宗を振り返った。
一つの傘に入っているせいか、いつもより更に顔の位置が近い。けれど気にすることはなく、幸村はにこりと笑った。
「昨日、桜が咲いているのを見ました」
「Ah?桜?」
「はい!ほら、マンションの近くの公園の…」
「ああ、あの樹は秋にも花を咲かせるんだったな」
「はい。この樹を見て思い出しました。昨日はまだ半分くらいしか咲いていなかったのですが今日の朝はずいぶん開いていたんです。…でも、この雨で散っていないか心配で」
しょんぼりと肩を落とした幸村がくるくるよく変わる表情で話す。彼女が犬なら、きっと今耳も尻尾も垂れている。
マンションの近くには、小さな公園がある。二人も小さい頃はそこでよく遊んだものだ。そこには確かに綺麗な花を咲かせる桜の木があった。今年の春もみんなで花見をしたのだから政宗も覚えている。幸村がその桜を気に入っていることも知っていた。
「……明日」
「はい?」
「明日には雨もやむだろう。…朝、少し早めに出て見て行くか?」
「…はい!」
ふ、と嘆息した政宗がちらりと視線を幸村に寄越しながら告げる。その内容に、幸村は満面の笑みを返した。
明日も一緒に学校へ行けるのだと思うと、嬉しくて仕方がない。
「ほら、帰るぞ」
促すように傘をちょい、っと上げると、歩き出す。その歩調は幸村に合わせてゆっくりだった。
「やっと帰りついたぜ…」
政宗がマンションのエントランスで傘を閉じながらため息交じりに言う。幸村は濡れた鞄を持っていたハンカチで軽く拭いた。外はまだ雨が降っている。学校を出た頃のような勢いはないものの、それなりに降っているのに政宗のおかげでほとんど濡れていない。政宗に逢えていなかったら、ずぶ濡れになっていただろう。
幸村は礼を言おうと先にエレベーターに向かって歩き出した政宗を見た。
「あれ…?」
政宗の制服に違和感を感じる。気になってじっと見つめて―――気づいた。
その瞬間、胸に湧き上がってきた歓喜に幸村は政宗の背中に飛びつく。
「What!?んだよ幸!」
驚く政宗に幸村はただ頬をすりよせる。腕をまわしてくっついていると、問うのを諦めたのか政宗がため息とともに幸村の手を握ってくれた。ひんやりとした手が嬉しくて愛しい。
じわりと二人の体温が混ざり合った頃、ようやくエレベーターが到着した。乗り込こんでしばらくした頃、ようやく離れる。エレベーターの扉が開いた。今日は佐助がいるはずだから真田の家で食事をするのだろう。幸村は政宗の何も持っていない方の手を取り、ぎゅっと握った。
訝しげな藍色に満面の笑みを浮かべて見せる。
「政宗殿」
「…なんだよ?」
「傘に入れてくださってありがとうございます」
「ああ…別に…」
「一緒に帰れて、嬉しかった。…傘、ほとんどこちらに傾けてくれたのでしょう?」
ほぼ確信を込めてそう聞くと、政宗は少しだけばつの悪そうな顔になった。
幸村が全く濡れていないのに対して、政宗の右肩はぐっしょり濡れている。幸村が濡れないように気を使ってくれていたのだ。そのさりげない優しさが嬉しくて、胸があったかくなる。
嬉しそうに笑う幸村に、政宗も小さく笑った。
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